γ-GTPの変動について

γ-GTPの判読にあたっての注意点

γ-GTPは個人差の大きい酵素で、基準値も年齢や性別、飲酒歴などの因子によって変動します。

年齢による変動についてですが、胎児や新生児では肝臓の活性が非常に高く、γ-GTPの数値も非常に高値を示します(成人に比べ、男で約2.5倍、女で約2.8倍にもなります)。その後は急に低下し、生後4カ月頃には成人と同程度になり、さらに徐々に下がって1歳頃には最も低くなります(成人と比べて男で0.4倍、女で0.5倍ほどにまで低下します)。そこから成人になるまで徐々に上昇していきます。未成年ではおおむね成人比で7割程度です。

 性別による変動ですが、女性ホルモンがγ-GTPの活性や肝臓での合成の抑制に働くため、女性の方が基準値も低く、男性が80IU/L以下であるのに対して、女性は30IU/L以下となっています。妊婦の場合(妊娠後期になると)さらに低い値を示す傾向があります。分娩直前では、妊娠前の約1/2程度の値にまで下がります。

 また、アルコールを摂取しているとγ-GTPは高く出るようになります。これはアルコールの作用によって肝臓でのγ-GTP合成が増えるために起こります。
ですので、禁酒することによってγ-GTPの値は下がります。個人差はありますが2週間程度禁酒すると、γ-GTPの値は1/2程度にまで低下します。
アルコール摂取だけの場合はγ-GTPは高い値を示すのですが、一般的にALPは上昇しません。

このように、γ-GTPはアルコール摂取によって高値を示しますので、検査までに飲酒の機会が多い方、前日遅くまで飲酒していた場合などでは正確な数値が出ず高めに出る場合があるので、禁酒(2週間~1ヶ月)をしてから再検査をするとよいでしょう。

また、γ-GTPは抗てんかん薬、抗けいれん薬、向精神薬、副腎皮質ステロイド薬などを使用していると上昇することがあります。これらの薬を使用している場合は、検査の際に医師に服薬している薬を必ず伝えるようにしましょう。

補足ですが、お薬の使用状況を患者さんに聞いたときによくあるケースとして、「血圧の薬を飲んでいる」「○○の薬を飲んでいる」「でも薬の名前はわからない」というようなことがあります。
γ-GTPの話に限った事ではありませんが、現在使用しているお薬が治療に影響する場合が多々ありますのでなるべく正確な情報を伝えることが安全な治療につながります。できれば、受診する際には服薬中の薬を一緒に持っていくか、お薬手帳を持っていくことをお勧めします。