薬剤性肝障害の解説

薬剤性肝障害とは

【薬剤性肝障害とは】
薬剤性肝障害とは、薬やサプリメントなどの健康食品によって肝臓が障害を受けるものをいいます。肝細胞に障害が出る場合や胆汁の経路に障害が生じる場合など様々で、症状も何も自覚症状が出ないケースから急性肝炎や劇症肝炎のような病態となるケースまで様々です。

【薬剤性肝障害の症状】
薬剤性肝障害の症状は、他の肝障害(肝炎など)と同様に、発熱・全身倦怠感などのインフルエンザ様症状や、発疹関節痛といったアレルギー症状、黄疸・皮膚掻痒感などがみられます。年齢や性別で発生頻度に差はなく、個人差が大きいのが特徴です。

【薬剤性肝障害の検査】
このような症状がみられた場合は肝機能検査を行いますが、ALTやASTといったトランスアミナーゼが上昇している場合は肝細胞が障害が示唆され、γ-GTPやALP、総ビリルビンなどの値が上昇している場合には胆道の障害(胆汁のうっ滞)が示唆されます。また、薬剤性肝障害はアレルギー性のものが多いので、好酸球(というアレルギー状態で増加する白血球の一種)の数値も上昇することが多いです。

【薬剤性肝炎の治療】
薬剤性肝障害の治療は、原因となった薬剤の使用を中止するということが最も重要な治療となります。使用を中止しただけでほとんどのケースで軽快します。肝臓の障害の程度や経過によって、薬剤の中止と合わせてウルソデオキシコール酸やグリチルリチン製剤などの肝機能改善薬を用います。

上記のような症状が出現し、かつ肝炎や肝硬変など他の肝臓疾患の可能性が低い場合で、服薬歴に思い当たる薬剤がある場合はこの薬剤性肝障害の可能性が考えられます。原因となる薬剤の使用から4週間以内で症状が出るケースが多いようです。

薬剤性肝障害をきたす薬剤は解熱鎮痛薬や抗生物質などの報告が多いですが、すべての薬剤や健康食品はこの薬剤性肝障害を起こす可能性があると認識しておくことが重要です。
肝障害に限った話ではありませんが、薬剤には一定の副作用を生じる危険性があるということ、また、個人差もあるということを頭に入れておきましょう。