膵臓癌の解説

膵臓癌とは

他にγ-GTPが上昇している場合に考えられる疾患に膵臓癌などがあります。
膵癌は癌の中でもとりわけ予後の悪い癌のひとつです。すべての膵癌でγ-GTPが上昇するというわけではありませんが、(1)膵癌は初期症状に乏しく、発見が遅れがちであるということ、(2)膵癌は非常に予後が悪いということ、(2)膵癌や膵炎など膵臓疾患の症状は非常に重篤なものとなること、(3)膵臓疾患になる人は生活習慣病(糖尿病)などを基礎疾患としてもっている人が少なくない、という理由から、膵臓疾患については知っておいた方が良いでしょう。

【膵臓癌の症状】

膵臓癌は初期症状に乏しく、癌が進行していくにつれて、腹痛、黄疸、腰や背中に痛みが生じるなどの症状が出るようになります。症状が出始めるころにはすでに癌が進行しているという場合が多いので、非常に予後が悪くなります。

ですので、膵癌の危険因子を持っている人は、発生する前から定期的に検査をして早期発見・早期治療を行うようにするということが膵癌対策の一番のポイントになります。

【膵臓癌のリスク因子】

膵癌にかかってしまうリスク因子としては、まず遺伝性のものがあります。家族内に膵癌になったひとがある場合は注意しておく必要があるといえます。また、次にあげる疾患を持っている人は要注意です。糖尿病患者・肥満・慢性膵炎・膵嚢胞・遺伝性膵炎などは膵癌に進展する可能性があります。特に糖尿病は膵癌の患者の半数以上にみられるとされています。また、喫煙も膵癌のリスク因子のひとつとされます。

【膵臓癌の検査】

血液検査でアミラーゼやリパーゼといった膵臓から出る酵素の値の上昇、γ-GTPやALPなどの胆道系酵素の上昇がみられます。これらは膵癌だけでなく膵炎でも上昇します。

膵癌のマーカーであるCA19-9やCEAなどの値が上昇していると膵炎よりも膵癌の可能性が高まります。

ただしすべての膵癌でγ-GTPをはじめとするこれらの数値がみな同様に上昇するというわけではありません。癌の発生部位や大きさなどによっても数値は異なります。たとえば、胆道に近い部位(十二指腸に近い側)で癌が発生している場合はその癌が胆管を圧迫することで胆道系の酵素(γ-GTPなど)も上がりやすいといえます。

このタイプの癌は胆道系を圧迫することで胆汁のうっ滞が生じますので、黄疸が出たり白色便がでるようになるなど、閉塞性黄疸症状がでます。
このように癌が十二指腸に近い側(膵頭部側)にある時の方が症状がわかりやすく、発見も早いので予後も比較的良い傾向にあります。

血液検査以外では、超音波検査(エコー)や造影CT検査などの画像検査で膵癌の所見が見られます。また、ERCP・MRCPとよばれる検査で膵管や胆管を造影して状態を調べます。

【膵臓癌の治療】

手術が可能と診断された場合は外科的手術を行います。手術の後に化学療法も行います。手術が不可能とされた場合は化学療法を、それも難しい場合は緩和治療となります。