肝炎の解説

肝炎とは

肝臓の細胞が炎症を起こした状態を肝炎といいます。ウイルスによるものが多いですが、自己免疫性のものや薬剤性のものもあります。

肝炎は急性発症するものと慢性化したものと大きく二つに分けられます。
多くの場合は急性発症したあとは慢性化することなくそのまま治癒するケースが多いですが、慢性化してその後肝硬変や肝癌に発展するものもあります。

肝炎の症状は、全身倦怠感、食欲不振、発熱、悪心嘔吐などがあげられます。これらの症状はインフルエンザ感染症などとほとんどかわらない症状ですが、これらに加えて、黄疸や褐色尿、肝臓のある部位の腹痛(上腹部痛)などが見られる場合は、肝炎を疑います。

その場合は、肝炎ウイルスに感染するようなエピソードがあるかどうかが重要です。ここ1カ月前後で海外に行ったことがある場合は、生水や食事などからA型肝炎ウイルスに感染している可能性が浮上します。
過去数か月以内に採血時での針刺し事故を経験していたり、不特定多数の人との性交渉(性風俗なども含む)を経験した場合などは、B型肝炎ウイルスに感染している可能性があります。
過去に輸血歴がある、血液製剤を使用したことがある、針刺し事故などを経験したことがあるといった場合は、C型肝炎ウイルスに感染している危険性があります。特にC型肝炎は慢性化するケースが多いので、若いころに輸血をした経験のある中高年者が何十年か経過した後に発症するというケースもあります。

このような感染するエピソードがないにもかかわらず肝炎を疑う症状が出ている場合は、アルコール飲酒量の多い人であればアルコール性肝炎が、何らかのお薬を使用している場合は薬剤性肝炎が、中年女性であれば自己免疫性肝炎の可能性が考えられます。自己免疫性肝炎の場合は関節リウマチやシェーグレン症候群、橋本病などを合併している場合があります。

肝炎の検査はまず血液検査を行い、肝炎であることを示す検査値に異常があるかどうかを調べます。肝炎によって肝細胞が障害されている場合はASTやALTなどが上昇し、胆汁の流路である胆道に障害が出ていればγ-GTPやALPやビリルビン(特に直接ビリルビン)の値が上昇します。

これら肝機能の検査に加えて、肝炎の原因を探るための検査も行います。肝炎ウイルスの抗体などを調べて原因と感染状態を調べます。ウイルス感染を否定できた場合は、薬剤性であるか?とか自己免疫性のものか、などを調べていき、原因を突き止めます。

原因を確定させたら治療に入ります。ウイルス性の場合は型によって治療も異なります。A型肝炎などは安静にして栄養補給するなどの対症療法を行います。B型やC型の場合は慢性化を防ぐために投薬治療(インターフェロンなど)を行います。薬剤性の場合は原因となる薬剤の使用を中止、自己免疫性ではステロイド剤の投薬、というように原因によって治療の方法は様々です。